2018年 さそり座の運勢(下半期) - 石井ゆかりの星占い

情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。

2018年の下半期の星占い

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さそり座   10.24 - 11.21

外に向かう自分と、中にいる自分とを繋ぐ、新しい蝶番。

「自分」はいろいろなものでできています。
他者の前で見せる「顔」について、「これは、真の自分の姿とは違う」と感じている人も少なくありません。
表面に出ている「皮」のような部分をむいて、中から白い果肉が出てきても、
「これこそが本当の自分だ」と言い切れるかというと、そうでもないような気もします。
玉ネギのように自分をどんどんむいていったら、最後には何もなくなってしまうのかもしれません。
「本体の自分」をいろいろなもので隠している、ということではなく、
おそらく、さまざまな部分を玉ネギのようにひとつの根っこに集めて、しっかりまとめ上げたものを
私たちは「自分」と呼んでいるのではないかと思います。

たとえば、「外の自分」と「中の自分」という区分けがあります。「公私」の区別です。
外に出て、社会的な場でオープンに活動している自分と、家の中でリラックスしている自分。
会社の同僚や近所の人と話す自分と、家族や親しい友人、恋人などと話している自分。
両者があまり変わらない人もいますが、大きく違っている人のほうが多いのではないかと思います。
とはいえ、両者が乖かい離りしすぎていると、外にいても中にいても
「この人たちは、本当の私を知らない」という思いが湧くものではないでしょうか。
これは、周囲の人々の理解力の問題ではなく、
両者を乖離させすぎた自分自身に原因があると言わねばなりません。
私たちは、いろいろな自分をまとめ上げて全体としてひとりの自分を感じていますが、
「いろいろな自分」はそれぞれ、経験を得て変化し続けます。
これを随時「まとめ上げる」ことは、結構大変な作業なのです。

2018年下半期、貴方は「外の自分」と「中の自分」を、新しい形で結び付けようとするでしょう。
社会人としての自分とプライベートな自分、タテマエの自分とホンネの自分を、
両側からトンネルを掘って行き来できるように、繋げることができるでしょう。
もちろん、以前からそうした繋がりはちゃんと存在するはずですが、
このところ、貴方の急激な成長や変化のおかげで、その蝶番が壊れつつあるのではないかと思うのです。
壊れかけた古い蝶番を取り除き、新しい丈夫な蝶番で適切な場所を繋げていく、その作業が
2017年の終わり頃から展開しているはずなのですが、この下半期は特に「土台・内側」の強度が重要です。
居場所に関すること、身近な人々との繋がり、ルーツ。
生活の基盤となるそうした世界を精力的に作っていくことになるのですが、
これは何よりも、貴方自身が外の世界で思いどおりに活躍するために必要なことであるはずです。
プライベートの世界、家の中の世界を、その中だけの話で収めることは、少なくとも今は、ナンセンスです。
貴方自身が外で活動しやすいように、内側の条件を勝ち取っていく、ということがポイントなのです。
こうした変革は、貴方ひとりだけのストーリーではなく、周囲も巻き込んだ大きな物語として展開します。
主に内側から巻き起こっていく「蝶番」の変革は、貴方に新しい「顔」をもたらします。
内外に向けられるその新しい「顔」は、周囲の人々にも強い影響を及ぼすでしょう。
私たちひとりひとりの変化は決して、自分ひとりの範囲だけに収まることはありません。
自分の変化は必ず他者の変化を喚起しますし、他者の変化がまた、自分の変化を誘発します。
私たちは「変わり合って生きていく」わけですが、その相互作用が特に今、急ピッチで進む理由は、
貴方の世界に「愛」が、奔流のように流れ込み続けているからなのだろうと思います。

10.24-11.4 生まれの貴方

人の心に深く踏み込みながら得る、他者への新たなまなざし。

特に生活の「中」にある人間関係が、大変革期に突入します。「人を見る目」という言い方は、たいていは初対面で相手の本質を見抜く、といったことに使われますが、すでによく知っていて長らく生活をともにしている相手であっても、「見直した!」「見損なったよ!」などの思いを抱くことはよくあります。この時期、ごく身近にいる「知っている相手」に対する見方、捉え方、関わり方が、少なからず変わっていくかもしれません。相手が抱いている思いや実力、喜びや期待、怒りや悲しみなどがあらわになり、それに対する貴方自身の思いもまた、ビビッドに動き、解き放たれるでしょう。身近な人への距離感が変わり、お互いの立ち位置も変化するかもしれません。たとえば、幼い子どもが自我を得て大人の意識を持ち始めると、親との関係も自然に変化し始めます。大人同士の人間関係であっても、そうした変化が自然に起こる場面があるものだろうと思うのです。
7月から8月半ば、9月下旬から10月前半は、居場所が大きく動く時です。家族構成の変化、引っ越しなど、目に見える変革を貴方自身の手で進めていくことになるでしょう。ここでの変化は一見「周りの人のため」のようでも、実は貴方自身の成長と変化に従って起こることであるようです。10月半ばから12月頭、好きなことに目いっぱい打ち込めます。9月、10月中旬から11月頭、12月上旬から中旬は、人のさまざまな面に触れ、おおいに「心を動かす」時期となります。自分とは異なった生き方を受け止める過程で、貴方の愛が生まれ変わります。

11.5-11.13 生まれの貴方

発信したいこと、聞きたいこと。「自分が何者か」を知るためのコミュニケーション。

この下半期、蠍座の人はどの期であっても「人生の大転換点」に身を置いているのですが、なかでも貴方は特に7月から9月半ばにかけて、その大きな転換を体験することになるかもしれません。自ら行動を起こし、その結果周りに広がっていく影響を見て取り、さらにそれを受けて動いていく、というサイクルが大スケールで、でも、とても自然に回り続けていくでしょう。さらに、この時期の貴方は不思議な「発信欲求・表現欲」にあふれています。人に伝えたいことや表現してみたいことが身体の中から突き上げてきて、貴方を外側へ、外側へと動かすでしょう。普段なら決して語らないような話を、なぜか語りだしたくなるかもしれません。あるいは、大切な人の真意や感情の揺れ動きなどを、あえて「言葉にしてほしい」という思いが募るかもしれません。これらの衝動は、心のどこかで「自分が何者なのかを知りたい」という思いと繋がっているようです。
7月から10月半ば、そして12月中旬から下旬にかけて、素晴らしい愛の風が吹いています。愛が春の雪解け水のように、貴方の世界に勢いよくなだれ込んでくるような時期です。また、クリエイティブな活動にも勢いが増します。インスピレーションが「降りて」きますし、好きなことを何でもできる、輝くような季節となるでしょう。10月中旬から下旬は「居場所」が動く時です。住処や家族に関することで、少々「力仕事」が必要になりそうです。年末以降、経済面で上昇気流が生まれます。ここから精力的に動き、欲しいものを手に入れられます。

11.14-11.21 生まれの貴方

経験というクルミの殻を割って、中から得難い知と「役割」を取り出す。

「経験」は一般に、クルミのような仕組みを持っています。すなわち、その硬い殻を割らないと、中に潜む滋養に満ちたおいしい実を取り出すことができないのです。この下半期は、これまでの幾多の経験を盛大に「クルミ割り」していけそうな時期です。多くを学べる時期なのですが、新しいものを外から吸収するのもさることながら、すでに貴方が知っていることの中に、宝物を見いだせそうなのです。「クルミを割る」には、かなり強い衝撃を必要とします。この時期も、たとえば新しい出会いからくるカルチャーショックとか、古い経験と新しい経験がぶつかり合って火花を散らすとか、そんなことが「クルミを割る」力になるのかもしれません。あるいは、貴方自身の情熱や意欲、問題意識などが、不意に硬いクルミの殻にぶち当たることになるのかもしれません。このクルミが割れたところに、新しい役割が生じる気配もあります。過去にないポジションや役職を、貴方の手で「創造する」ことになるのかもしれません。あるいは、このプロセスは今に始まったことではなく、過去数年間をかけて展開してきた可能性もあります。クルミの中から取り出してきたものが、この下半期、ひとつのお菓子のように「完成する」ということなのかもしれません。
7月半ば、遠くから素晴らしいものがもたらされそうです。あるいは美しい旅に出る人もいるでしょう。7月から8月、過去に挑戦したことに再挑戦できるかもしれません。11月は居場所が動く時期です。9月半ばから11月頭、さらに年末に、非常に強い愛の追い風が吹きます。

 

12星座別占い

Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii

石井ゆかりプロフィール

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari

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