パンツ軍団がロンドンの地下鉄を占拠? 開放的なイベントが開催。

Culture 2023.01.29

From Pen Online

文 / 山川真智子

ロンドンで毎年恒例のズボンを履かずに地下鉄に乗るイベント「No Trousers Tube Ride」が開催された。新型コロナウィルス感染の拡大で2年間中断されていたが、10周年となる今年はたくさんのロンドン市民が参加。昨年開業した新路線線での初ズボンなし乗車を楽しむなど、開放的で笑いに満ちた1日を過ごした。

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発祥の地はニューヨーク いたずらから大イベントに。

ピープル誌によれば、このイベントは2002年にニューヨークで誕生した。ニューヨークのコメディ集団が始めたもので、最初の参加者は下半身パンツ一丁の7人の男性だった。地下鉄が駅で止まるたびに、お互い知らないふりをして一人ずつ乗車。驚いて「どうしたの?」と尋ねる乗客に、全員がただ家にズボンを「忘れてきた」だけと答えることにしていたという。

2006年には電車が止められ、パンツ姿の8人がお縄になるという事件もあったが(※のちに不起訴となった)、2010年以来、数千人のニューヨーカーがこのいたずらイベントに参加したという。やがて「世界的なバカバカしさの祝典」へと進化し、新型コロナによるパンデミック前には、世界の数十の都市で同様のイベントが開催されていた。

過去のニューヨークでのイベントの様子。

 

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パンツ軍団、地下鉄を占拠? 久々の開催で盛り上がる。

ロンドンでこのイベントが開催されたのは、今年1月8日の日曜日の午後だ。パンデミックが始まって以来初となる開催で、大勢のロンドン市民が主催者の呼びかけに応え、集合場所に現れた。

 

米紙が報じたロンドンの様子。パンツ姿の人々が地下鉄駅を埋め尽くした

今年も例年通り、各駅で参加者はズボンを脱ぎ、グループになって地下鉄に乗車した。下が下着姿になっていれば服装は自由なため、上半身をブレザーとネクタイ、足はお洒落な靴で決めてきた人もいれば、Tシャツにパーカーなど、普段通りの服装の人も多かった。冬ということで、コートやジャケット姿も多く、パンツに生足の下半身とのミスマッチが笑いを誘った。

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行儀よく電車を待つグループ。子どもの姿も。

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昨年開業の新路線、エリザベス線のチケットを買う人たち。カラフルパンツで参加。

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ブレザーとネクタイ姿の男性たち。下はパンツ一丁。

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ポイントは普段通り 笑いを誘う楽しいイベントに。

ピープル誌によれば、移動中はいつも通り車内に座り、雑誌を読むなど普段と同じように過ごすようにと主催者は参加者にアドバイス。また「楽しい」下着の着用を推奨し、過度に派手な行為や危険で無謀な行為のための下着の着用はやめるようにと伝えていた。

車内でごく普通に過ごす人々。

主催者は「我々の目的は人々を笑わせることであり、怒らせることではない」としており、あくまでも初回のいたずらの精神を大切にして楽しむことが、このイベントの意義のようだ。

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