里山の可能性を、新しい感性で切り拓く廃校オーベルジュへ。

Lifestyle 2022.09.15

この夏、石川県小松市観音下町(かながそまち)に、廃校をコンバージョンしたAuberge "eaufeu"(オーベルジュ オーフ)がオープンした。

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旧校舎の外観はできる限り手を加えずに改修したオーベルジュ オーフ。

美しい里山を擁する観音下町は、日本遺産に認定されるほどの美しい“石の文化”が根づく。ここにある旧西尾小学校は、2018年3月に廃校となったが、惜しまれながら廃校した後も、昔懐かしい姿を地域に留めてきた。オーベルジュ オーフは、観音下に広がる大自然や豊かな食の魅力など貴重な地域資源を活用し、地域の活性化を図ることを目的として、この旧西尾小学校をオーベルジュに生まれ変わらせた。ここは小松空港から車で約30分という立地にありながら、日本海と霊峰白山に囲まれた、水と緑の豊かな場所。自然と人が共生する里山の中に建つオーフの周りには、日本の美しい原風景が広がっている。もちろん美しい自然からの恵みである食材も豊富。オーフのシェフを務めるのは、1992年生まれの若き料理人、糸井章太。日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」で史上最年少(26歳)でグランプリを受賞し、さまざまな国や地域のレストランで腕を磨いてきた実力の持ち主だ。また、館内のアートを手掛けたのは、フランス在住のアーティスト、小川貴一郎。オーフで出会う作品は、すべて彼が観音下の地で、実際に磁場のエネルギーを感じながら制作した。

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館内や客室のいたるところに小川貴一郎が手がけたアート約120点が飾られている。ひとつひとつじっくり観賞したい。

世界でもここだけのオリジナリティの塊とも言えるオーベルジュ オーフは、新たなデスティネーションホテル。旅先のウィッシュリストにさっそく加えたい。

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花壇の縁石として使われていた日華石(観音下石)をそのままの状態で清掃して利用したレセプション。ここにはカフェも併設。家具はオリジナル家具と既成家具、ヴィンテージ家具を組み合わせてレイアウト。

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教室の面影が感じられるジュニアスイート。カーテンは丸八製茶の加賀棒茶の製造工程で発生する廃棄食材を原料にして染色。フローリングは節や割れなど一般的に廃棄される木材を補修してそのまま使用。ジュニアスイートとスイートルームは、旧校舎の教室の黒板を照明の反射版として再利用しているのも特徴。

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糸井シェフが腕を奮うレストランは、職員室だったスペースを改修。宿泊していなくても利用可能なので、小松に来る際はぜひ訪れたい。旧校舎の職員室に設置されていた黒板・掲示板の枠をトレースして制作した間接照明が灯る。

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オーフがある観音下町は日華石(観音下石)の採掘場が有名で、オーフからも石切場が臨める。その日華石を使用したプレゼンテーションで、料理の最初に提供されるアミューズ。このアミューズは、オーフのすぐ隣に位置する杜氏の農口尚彦による農口尚彦研究所の仕込み水を使用したドリンクとペアリングで提供されるのもユニーク。食材は季節によって変わるが、この画像では、西俣どじょうのフリットや、近隣の川で獲ったサワガニを農口尚彦研究所の焼酎に漬けた後に揚げたもの、お出汁で炊いた冬瓜などを盛り付けて。

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名物・小松うどんを糸井シェフ流にアレンジ。スープは石川県産天然のすっぽんの出汁がベースになっている。白山市でつくられる大きななめこ「でけえなめこ」や玉ねぎのフリットとともに、濃厚なスープの味わいをうどんと一緒に楽しみたい。

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身体にやさしい和の朝食。農口尚彦研究所の酒粕を使った甘酒や地元のお米、蛍米など、この地の滋味が身体に染みるのを感じられるはず。

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日本人のDNAに刷り込まれていそうな、観音下の里山の風景。朝は早起きしてオーベルジュの周辺を散歩してみては。

Auberge "eaufeu"
オーベルジュ オーフ


石川県小松市観音下町ロ48番地
全12室 
休)火、水 *祝日は営業。
料金:スタンダード¥28,800〜など 
*1泊2食(朝・夕)付き。
*1室2名利用時の1名分の税・サービス料込みの料金。
 https://eaufeu.jp

<レストラン>
ランチ 12:00〜13:00L.O.  ¥16,500(税込み・サービス料別)*土日祝のみ営業。
ディナー 17:30〜20:00L.O.  ¥16,500(税込み・サービス料別)*火、水休み。祝日の場合は営業。
*要予約。

text: Natsuko Kadokura

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