ル・ロイヤル・モンソーの週末、甘いティータイムを。

Paris 2022.05.15

2021年2月、ル・ロイヤル・モンソー・ラッフルズ・パリのシェフ・パティシエに就任したカンタン・ルシャ。お砂糖がお腹にたっぷり詰まっていそうなシェフ・パティシエの時代はいまや昔で、スリムな32歳の若者である。その彼のクリエイションを4段階サービスにより楽しめるティータイムが、リラックスした雰囲気の「Bar Long(バー・ロン)」で4月1日に始まった。ホットドリンクのセレクションをするだけで、あとは椅子に腰掛けてサービスされるのを待つだけという1コース。そのメニューを見ると、たとえば5月はミニパティスリー、ペルル・ヴァニーユ、チョコレートのショー/フロワ、焼き菓子の4段階サービスとあり、それぞれの内容は説明されていないので、何が出てくるか……。目隠しで待ってる感じがあって、ブラインドデートを楽しむようにワクワクする、といえばいいだろうか。

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左:ティータイムは1名65ユーロ(ホットドリンク付き)あるいは85ユーロ(クープ・ドゥ・シャンパーニュ付き)。写真のミニパティスリー中、2点の薄くて丸いビスキュイが “プリンス” だ。 右:バーは緑が輝く中庭に面している。photos:(左)The Travel Buds、(右)Mariko Omura

4段階サービスというスタイルながら、フルーツなど季節によって素材は変化する。たとえばいまの季節なら細長いお皿に並ぶ5種のミニパティスリー中、3種のフルーツものにはマンゴー、ザクロ、クランベリー、イチゴが。残りの2種はチョコレートとキャラメル“プリンス”である。これは、子どもたちが大好きなモノプリなどで売っているチョコレートを挟んだビスケットPRINCEにインスパイアされたシェフのクリエイションだ。極薄のビスケットの繊細なサンドイッチで、その軽さとおいしさに、もう1枚あったらいいのに!と。プリンスはマカロンに代わるスイーツとして、シェフはさまざまな味での展開を考えているというから、楽しみに待とう。

お次の登場はパティスリーのクリエイション。いまの時期はペルル・ヴァニーユで、バニラを主素材に軽くクリーミーなパティスリーをシェフはクリエイトした。バニラと竹の炭が作りあげるという謎めいた存在の黒いパールに覆われている。これは液体を球状に成形するテクニックのなせる技!なのだそうだ。この後、お口直しとして、酸味の利いたジンジャー・グラニテが登場。次のチョコレートの“ショー/フロワ”への準備である。それまでの甘いお口の旅を出発点へ戻って、次の旅へ!というわけだ。

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パティスリーのクリエイションから“ペルル・ヴァニーユ”。写真左の淡い色の飲み物がオリジナル・モクテル。photos:The Travel Buds

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このチョコレートの“ショー/フロワ”はパティシエがテーブルまでやってきて、その名の通り冷たい(フロワ)チョコレートと温かい(ショー)チョコレートを目の前で小鍋の中に用意してくれる。これとともにオリジナルのモクテルがサービスされる。これはマテ茶とカカオの粘液をミックスした、ライチのような桃のようなフルーティな味がたまらなく後をひくおいしさだ。締めはガトー・ドゥ・ヴォワイヤージュ。焼き菓子が2~3種、白いレンガのようなうつわにのってサービスされる。マーブルケーキはしっかりとコンパクトなイメージがあるけれど、ここではふんわりと焼き上げられ、時々とろりとクリーミーなチョコレートが舌を喜ばせて……という逸品。もうじき、ホールでテイクアウト購入ができるようになるらしい。

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この日はシェフのカンタン・ルシャがチョコレートの“ショー/フロワ”をテーブルで準備。photos:Mariko Omura

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左:テーブルに供されたチョコレートの“ショー/フロワ“ 。 右:最後に焼き菓子が。photos:(左)Mariko Omura、(右)The Travel Buds

始まったばかりのティータイムなので、4月1日から進化を続けている。素材が季節で替わり、パティスリーのクリエイションが変わり……と内容は上記のとおりではないかもしれないけれど、おいしい素晴らしい時間が待っていることは確か。

Bar Long
Le Royal Monceau - Raffles Paris
37, avenue Hoche
75008 Paris
tel:01 42 99 8800
mail:paris@raffles.com
ティータイム)15:00~17:00(金、土、日)

editing: Mariko Omura

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