恋愛関係で"キープ"を続ける「ストリンガー」に気をつけろ! 知っておきたい8つのこと。
Lifestyle 2024.12.06
マッチングアプリの増加、ジェンダーロールや結婚観の変化など、現代の進化する恋愛事情において、長期的で誠実なパートナー関係を築きたいなら「ストリンガー」と呼ばれる人々を見極めることがますます重要だ。性科学とジェンダーに詳しいジャーナリスト、此花わかがストリンガーの行動を読み解き、境界線を引いて自身の心の健康を守る方法を探求する。
相手のニーズに向き合わず、いわゆる"キープ"を続けるパートナーを「ストリンガー(Stringer)」と呼んだのは、2003年に「Why Men Marry Some Women and Not Others(未邦訳:男性はなぜ特定の女性と結婚するのに、他の女性とは結婚しないのか)」と発表したアメリカのベストセラー作家、故ジョン・T・モロイだ。
恋は盲目というけれど、自分ごとになるとちょっとした違和感やズレに気がついていたとしても蓋をしてしまいがちだ。しかしストリンガーにとって都合のいいパートナーでいる限り、自分の幸せからは遠くなる。そんな環境からいち早く離れる方法とは?
---fadeinpager---
もしかして......と思ったら注意!ストリンガーの特徴とは?
1. 関係を定義するのを嫌がる
「いまの関係のどこが悪い?」「未来じゃなくて、"いま"に集中したい」「"いま"はあなたとしかつきあっていない」など、関係の定義を嫌がり、将来についての話し合いを避けたり、将来の計画を立てたりしない。
2. 一貫性のないコミュニケーション
連絡の頻度が不安定で、しばらく親密にやりとりをしていたかと思うと、理由もなく突然連絡が途絶えることがある。
3. パートナーを友達や家族に紹介しない
自分の友達や家族との生活に溶け込ませることを避け、パートナーを周囲に紹介することに消極的。
4. 自分だけを常に最優先する
「自分はしばられたくない」と自立を強調し、相手がモノガミーやコミットメントを欲しがっているのにも関わらず、聞く耳をもたない、あるいは、説得しようとする。
興味深いことに、ストリンガーのなかには同棲をし、浮気をせず、情熱的で優しい恋人も多数いる。毎日連絡をきちんとくれて、いつもロマンチックな人だっている。ただ、重要な局面で建設的な話し合いができないストリンガーをパートナーにしていると、「自分が十分な人間じゃないから、この人はコミットしてくれないんだ」と自己肯定感が低くなっていく。ストリンガーになる人々の理由は様々であり、それは他人が知る由もない。「なぜこの人はストリンガーなのか」と理由を探るのは不毛だ。それよりも、ストリンガーを避けよう。ストリンガーの兆候を早期に見抜くことで、無用なストレスや時間の無駄を避けることができる。
そして残念なことに、もしも自分のパートナーがストリンガーだったときの解決法は、「境界線を確立する」しかない。
---fadeinpager---
自分の境界線を知ることで健全な関係が築ける。
コミットメント恐怖症、ストリンガーと関係を築くには境界線を確立しなければいけない。その4つの方法とは。
1. 自分の境界線を再定義する
自分自身のニーズや限界を理解し、どのような行動を受け入れられないのか、また健全な関係を築くために何が必要なのかを明確にする。
2. 明確なコミュニケーション
自分の境界線を明確に、かつ断固として伝える。相手を非難せず、自分の気持ちを伝えるために「なんであなたは~なの?」「あなたはいつも~」など、「あなたは」ではなく、「私は~」という表現を使い、相手を責めるよりも、自分の気持ちにフォーカスしよう。
3. 自分の境界線を破らない
設定した境界線を守り、例外を作らない。例外を認めると、相手に混乱を与えたり、自分の意志が弱い印象を与えたりする。
4. サポートを求める
カウンセラー、親身になってくれる家族や友人、同じ問題を抱くコミュニティに相談することで、複雑な感情を整理し、境界線をより効果的に守るためのアドバイスを得る。
パートナーを愛しているとついつい境界線に例外を認めがち。しかし、人間は「もっていないものしか欲せない」という心理がある。つまり、ストリンガーの都合の良いパートナーでいる限り、ストリンガーはそんな人を求めないし、態度を変えることはない。
最後に強調したいのは、もし自分がパートナーにコミットしたくないなら、もちろん、それでよい。自分とパートナーのニーズにギャップがある場合に、互いが歩み寄りができるかどうかが問題なのだ。なぜなら、歩み寄りの蓄積が信頼関係を生み、長期的な深い愛情へと育っていくから。相手に振り回されずに自律した人生を歩むためには、歩み寄りができるパートナーかどうかを見極めることが大切だということを肝に銘じておこう。
text: Waka Konohana photo: Shutterstock