9月のパリ、街中にデザインがあふれる 革新/京都の伝統工芸 × パリのデザイナーの作品展。

Paris 2022.09.20

9月のパリは月末のファッションウィークに先駆けて、デザイン&インテリアでスタート。8日から12日まではパリ郊外で恒例の国際的トレードショー、メゾン・エ・オブジェが、そして同時に始まったパリ・デザイン・ウィークは9月17日まで開催された。これには多くのギャラリーやブティックが参加し、パリ市内がデザイン色に染まった。


姉妹都市提携を結んでいるパリと京都市。バスティーユのパリ市主催アトリエ・ドゥ・パリのギャラリーで、元レジデントアーティストである5組のフランス人デザイナーと京都の12の伝統工芸とのコラボレーションを展示する「インスピレーション京都」展が9月30日まで開催されている。2019年から始まったプロジェクトのサード・エディションだ。

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左:地下鉄バスティーユが最寄駅のギャルリー。 右:Cécile Grayは金銀糸製造の寺島保太郎商店(左)と熱転写を得意とする関西巻取箔工業(右)とコラボレートし、インテリアデザインの新しい提案をした。photos:Matthieu Gauchet

展示されているのは京都が誇る伝統工芸に向けるフランス人の新たな視線から生まれた12点の作品。塩見団扇と組んだのは「Formel(フォルメル)」で、団扇のしなやかさと和紙が透ける素材であることにフォルメルの2人組は注目した。真っ平らな団扇にカーブをつけるなんて!と日本人はためらうかもしれないけれど、彼らはそれを美しくカーブさせてミニマルな照明器具をデザインした。エコ・レスポンシブルなデザイナーであると自己紹介するエルザ・ポシャの作品は、京都の老舗日吉屋の和傘の開いた時の構造の美しさが出発点にある。革新をモットーとする商業160年の日吉屋は照明器具も製造しているが、今回、エルザとの共同制作は2本の開いた傘を背中合わせにした大きなまん丸いライトだ。ホテルなどスペースの広い場所向けに、とエルザは語る。彼女は京鹿の子絞りの片山文三郎商店とのコラボレーションでは、スツールを制作した。クッションの布は絞りではなく折り染めによるものだ。美しいブルーが映えるスツールはギャラリーのウィンドウに展示され、通り過ぎる人々の目を捉えている。

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左:Formelは団扇の塩見団扇(左上)、京唐紙の丸二(右上)のそれぞれと平面を立体にする仕事をした。 右:エルザ・ポシャは和傘の内側の美しさを照明に。photos:(左)Matthieu Gauchet(右)Mariko Omura

日本のいまの家庭で見ることが少なくなった床の間だが、それを海外に普及したいと、発表会場で意欲的に語ったのは数寄屋建築の匠ヤマショウ。「Garnier & Linker」とともに、現代人のライフスタイルに合う床の間をクリエイトした。見たところは日本の伝統的な床の間なのだが、フランスのこの展示に向けてヤマショウは新しい工法を考案、実現した。通常は現場で行う壁塗りも含め、すべてを日本で仕上げ、パネルにして飛行機で運んで会場で組み立てたという。その所要時間も3~4時間と短い。フランスや海外のホテルなどの床の間、茶室の需要に対応できるというわけだ。東京や京都……いま、フランス人たちが最も訪れたい国である日本。和食ばかりではなく、彼らが抱く日本の工芸への興味も果てしない。このギャラリーで京都の職人技とその可能性を発見したら、彼らの日本熱はより昂ることだろう。

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左:Garnier & Linkerとヤマショウの床の間。 右:Garnier & Linkerと京都桐箱工芸によるランプの素材はもちろん桐だ。和紙は植物染めで、写真は柿渋。photos:(左)Matthieu Gauchet(右)Mariko Omura

「Inspiration of Kyoto(インスピレーション京都)」展
開催中~9月30日
Galerie des Ateliers de Paris
30, rue du Faubourg Saint-Antoine
75012 Paris
開)11:00~19:00
休)日

editing: Mariko Omura

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